preload旅行前に知っておきたい世界各国の礼儀作法

外国を訪れてその土地の風習に触れて文化の多様性を実感するのが旅の醍醐味。同時に、日本での常識が海外で非常識となることもしばしば。特に宗教的な儀式が行われている場所では、その土地の伝統と慣習に従うことが大事です。今回はバリのニュピと呼ばれる厳粛な儀式や、シンガポールの活気に満ちたハングリー・ゴースト・フェスティバルなど、旅行者を魅了する各地の様々な宗教的・精神的な儀式と一緒に、旅行前に知っておきたい世界各国のマナーとタブーをご紹介します。

1. 郷に入っては郷に従え

旅行前に知っておきたい世界各国の礼儀作法

私たちにとっては奇妙に映ったりちょっと説明がつかないような慣習も、他の文化で生まれ育った人にとっては代々受け継がれてきた当たり前の生活様式だったりするもの。「郷に入っては郷に従え」ということわざにもあるように、その土地の慣習や伝統を重んじることはとても大事なことなのです。例えば、ヒンドゥー教の元日「ニュピ」は、一日静かに瞑想し世の中の平和を神に祈る日とされ、地元民だけでなく観光客も24時間外出をしないようにとのお達しが。でも、その前後には地元民も観光客も楽しめる行事が盛りだくさん。元日だけはおとなしくリラックスして過ごすようにしましょう。

2. むやみに触ってはダメ!

特に、イギリス・ウィルトシャー州にある有名なストーンヘンジやエーヴベリーといった先史時代の遺跡で儀式が行われる場合は覚えておきましょう。これには、歴史的遺跡を清潔で汚れのないものとして保つだけでなく、石の侵食を防いで次世代のためにできるだけ長く保存するという目的も。これらの遺跡に通常立ち入りが禁止されているのは、そういった理由があるからなんですね。また春や夏至前後の特別な日には、普段は立ち入れないエリアに入ることができる特別ツアーが開催されますが、その場合にも現地のガイドの案内に従うことをお忘れなく。

3. しー、静かに!

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バリ島で新年に行われる行事「ニュピ」は、静寂と瞑想の日としてわりと有名ですが、それ以外にも静かに過ごすことを求められる宗教的な儀式は世界各地に数多く存在します。例えば、トルコのメヴレヴィー教団は最大で連続1時間くるくると旋回する宗教行為で知られていますが、その間聴衆は敬意を表し、最後まで無言で観覧するべきとされています。質問やコメントは、映画館で映画を見ているときと同じように最後までとっておきましょう。 鑑賞中にあれこれと感想を述べるのは、参加者だけでなく他の人の気を散らすことになってしまうかもしれませんから。

4. カメラはしまっておこう

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場所によっては、儀式や記念碑、また建物を撮影されることに対してとても敏感な場合があります。写真撮影が許可されているかどうか、ツアーガイドなどの現地スタッフに確認してください。また、写真撮影が許可されていても、フラッシュの使用は不可の場合もあります。例えばウィルトシャー州のエーヴベリー遺跡、香港や中国の仏教や道教の寺院、バンコクの一部の宗教関連施設では、一般的な写真撮影は許可されていますが、ドローンや仰々しい撮影機器を携えての商業目的での撮影はあまり歓迎されません。一方でタイ、ラオス、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、台湾については、撮影に関するルールは比較的寛大といえますが、いずれにしてもイベントや儀式を撮影したいなら関係当局から許可を得ることが常に最善です。

5. 特別な座席、特別なお供え物

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シンガポールやマレーシアで行われるハングリー・ゴースト・フェスティバル(中国語では「中元节」)の期間には、住宅街のあちこちにステージが設置され、俳優や歌手、ダンサーによるコンサートや劇が繰り広げられます。そして会場には観覧席が用意されていますが、最前列はゴースト達の特等席にあたるので、うっかり座ってしまわないようにご注意を!座ってしまった場合、何らかの病気にかかるといわれています。またこの時期は、ゴーストのために戸外や道端にそっと供えられた食べ物やお香を踏んでしまわないよう、足元にも注意が必要です。なぜこんなところに?というような場所も、ゴーストにとってはどうやら意味があるようです。

6. 邪魔にならないように

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精神的な儀式の中には、参列者の身が危険にさらされているように見えてこちらが心配になるものも。 でも、そういった儀式は通常何百年もの歳月を経て今に至っているので、参列者にとっては百も承知だったり、だからこそ観光客を魅了したりするものなのです。例えばバングラデシュのイスラム教シーア派の行事「アシュラ」では人々がナイフや鎖で自らを傷つけながら行進したり、クアラルンプールのバトゥ洞窟やペナンで行われるタイプーサム祭では、自らの体の皮膚にフックを引っ掛けて馬車を引く様子など強烈な姿を目にして、あなたはきっと言葉を失うことでしょう。でも肝心の参列者はトランス状態にあるので痛みは感じていないといいますが、見ている側はハラハラしてしまいますよね!

7. ドレスコードを確認

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宗教的な場所を訪問するときは、常に控えめな服装で出向くことをおすすめします。例えばバリ、カンボジア、インド、タイでは、膝上と肘上が隠れる服装であれば基本的にOKですが、一部の場所では敷地内に入る際、頭と肩を覆うスカーフが必要な場合があります。 またトルコ、ケニア、中東などのより厳格な地域では、髪から腕、足首まで体全体をゆったりとした服装で覆うことができるような服装が好ましいとされます。そしてイスラム教のモスク、仏教徒やヒンズー教の寺院に入る前には、靴を脱ぐことをお忘れなく。

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